🌿上司が変わる。それは評価と空気が変わるということ
ある時期を境に、直属の上司が交代になった。
部署も仕事内容も大きくは変わっていない。
でも、上司が変わると、職場の“空気”も微妙に変わる。
それまでの上司は、段階ごとに確認しながら進めるスタイル。
言い方は柔らかく、意思確認もしてくれる。
一方、新しく来た上司は──とにかく淡々と任務を伝えてくるタイプだった。
🌿【あの日の一言】「この案件、君が進めてくれ」
そう言われた時、思わず固まってしまった。
案件の内容は、これまでのものと比べて明らかに難易度が高い。
調整する関係先の数も多く、しかも最初の打ち合わせには幹部クラスも顔を出すという。
──え?…これ、自分がやるんですか?
口には出せなかったけれど、心の中で何度もつぶやいていた。
🌿【見誤られているのか、期待されているのか】
“できません”なんて、言える雰囲気じゃなかった。
でも、内心では「無理かもしれない」と何度も思っていた。
そもそも、新しい上司は自分のこれまでの働きぶりを知らないはず。
なのに、なぜこの難しい案件を自分に…?
・見誤られてる?
・評価されてる?
・とりあえず、振れる相手に振っただけ?
答えは分からなかったけれど、不安だけがどんどん膨らんでいった。
🌿【「わかりました」の裏で揺れていた気持ち】
表面上は「はい、承知しました」と返した。
でも心の中では、
「失敗したらどうしよう」
「誰にも相談できなかったら?」
「プレッシャーで動けなくなったらどうしよう」
そんな不安がずっとつきまとっていた。
資料を読み返す手が止まったり、進めようとしても思考が空回りしたり。
頭では“動かなきゃ”と思ってるのに、気持ちはついてこなかった。
🌿【少しずつ動いてみて、見えてきたもの】
そんな中でも、少しずつやるべきことを整理して、動き始めた。
・関係先に電話をかける
・社内の過去データを洗う
・上司に小さく報告を挟むことで、反応を見ながら進めてみる
少しずつ、呼吸が整っていった。
完璧ではないけど、「進んでいる」感覚だけはあった。
そしてある日、上司がぽつりと
「この件、君がやってくれてよかったよ」と言ってくれた。
🌿【まとめ】任されることの重みと、その先に残る自信
あの時、自分に振られたミッションが「期待」だったのか「雑な采配」だったのかは、今でも分からない。
でも確かに、自分の中には「やりきった」という感覚が残っている。
上司が変わるということは、
自分に求められることが変わるということ。
その中で「いつもの自分」では通用しない瞬間もある。
でも、震えながらも一歩を踏み出したあのときの自分は──
間違いなく、ひとつ強くなっていたと思う。
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