「私はもう社会に戻れないかもしれない」
そんな思いが頭から離れなくなったのは、役目を失ったまま時間だけがすすんでいった頃でした。
「あの人は頑張っている」 「あの人は再就職に成功したらしい」
そういう声を聴くたびに、自分だけが残されている気がしたんです。
けど、その後、ふとしたキッカケによって、すべてが変わりました。
「空白期間が長いことが、怖い。」
どのタイミングで社会に戻ればいいのかわからない。 徒穏していた時間が長くなればなるほど、そんな思いは増していきました。
「この空白を見て、向こうはなんと思うだろう。」
会社は、社会は、私を受け入れてくれるんだろうか。
そんな中、注文管理の登録活動の最中、コンサルタントさんの一言が心に残りました。
「ブランクのある人は、けっこう多いですよ」
そのときは簡単に聞き消しましたが、後日、何度もその言葉が頭によぎりました。
「もしかしたら、私だけじゃないのかもしれない」
結局、怖いまままでも、動いてみようと思いました。
自分で決断して思い切ったってわけじゃないけど、その日、この言葉がそっと背中を押してくれた気がしたんです。
写真を撮られてるのに続くような簡易な面接。 けれど、そこで言われたことはこんな言葉でした。
「もう一度、ここから始めましょう」
その言葉には、私がずっと気にしていた空白のことは一言も書かれていませんでした。
だけど、不思議なことに、その言葉を聞いたとき、もう「ごめんなさい」と思わなくてもいい気がしたんです。
面接で「昔の仕事では、どんなことを考えながら動いていましたか」と聞かれたとき、 頭の奥にしまっていた記憶がいっきによみがえてきました。
💬「ブランクがあると、履歴書や面接で何を聞かれるのか…」
実際に私が聞かれた質問はこちらの記事にまとめています👇
▶ 履歴書と面接で聞かれたこと
成功したことも失敗したことも、しっかり覚えていた。
「その頃の私は、たしかに考えて動いていた。」
その思い出が、まるで本人が手を引っ張ってくれるように、「まだいけるよ」ってささやいてくれた気がしたんです。
そう。 ブランクがあったからって、ぜんぶを失ったわけじゃない。 これまでの私は、何もなかったわけじゃない。
「記憶と経験」は、ブランクを超える力になりました。
そして、いま私は、「ブランクがあった自分」を、こもごも認められるようになりました。
社会に戻るために必要なのは、完璧な理由でも、経験でもなく、
「これからの自分はどうしたいか」を定めて、 そこへ一歩踏み出す勇気だけだった。
その一歩が、今、あなたの目の前にあるかもしれない。
「この一歩で、何か変わるかもしれない」
そう思えるだけでも、きっと、あなたはもう前に進んでる。
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