はじめに:悪気はないとわかっていても
初めての顔合わせ。 緊張と不安でいっぱいの中、精一杯の笑顔で自己紹介を終えた直後── 担当者からの何気ないひと言が、私の心にグサッと突き刺さりました。
「あ、○○さんって正社員経験ないんですね」
たぶん確認のための一言。 別に責められてるわけじゃない。悪気なんてない。
それでも、初対面でいきなり核心を突かれるようなその言葉に、 私はどう反応していいかわからず、ただ「はい」と小さくうなずくことしかできませんでした。
固まるしかなかったあの瞬間
予想していた会話の流れなんて、すぐに吹き飛びました。
「え、それって…ダメってこと?」 「なんで今、そこを言うの…?」
どれも心の中の声。 口には出せませんでした。出せるわけがなかった。
相手にとっては“事実確認”のつもりだったのでしょう。 でも、私にとっては“この仕事にふさわしくない”と言われたような感覚で、 その場でスッと気持ちがしぼんでしまったのを覚えています。
帰り道、ずっとモヤモヤしてた
面談の内容なんて、半分くらいしか覚えていません。 頭の中は、あのひと言のことでいっぱい。
そして帰り道、なんだか悔しくて、 でも「そんなことで落ち込んでどうする」と自分に言い聞かせながら歩いていました。
自分が弱いのかも。気にしすぎなのかも。 でも……やっぱりショックだったんです。
あの言葉は“確認”だった。でも、刺さるものは刺さる
後から考えたら、あの言葉はただの確認事項。 派遣元にとっても、配属先にとっても必要な情報だったのでしょう。
でも、「タイミング」や「言い方」って、やっぱり大事です。
こちらがどれだけ緊張しているかなんて、伝わっていないんだろうな── そう思うと、余計に気持ちが遠のきました。
それでも、自分の“働く姿勢”だけは信じたかった
あの日、あのひと言に傷ついた私がいた。 でも、そんな自分を「気にしすぎだ」と責めることはやめました。
それよりも、
- 傷ついても、その場に立っていたこと
- 不安でも、話を最後まで聞いたこと
- モヤモヤしながらも、ちゃんと家まで帰ってきたこと
その全部が、“働こうとする自分”の証だったと思います。
まとめ:気にするな、じゃなくて、「気にしても大丈夫」な自分でいよう
働く場にいると、こうした「ちょっとした一言」に出会うことがあります。
悪気がないからこそ、余計にリアクションしづらくて、心の奥に残る。 でもそれも含めて、「働く」という現実のひとつなのかもしれません。
答えなんてなくていい。 大切なのは、自分の感じたことを大事にしながら、一歩ずつ進むこと。
気にしてもいい。 その気持ちを抱えながらも、前を向こうとしているあなたは、もう十分に“頑張ってる”んです。
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