「なんで、私ってこんなにダメなんだろう」
気づけば、そんな言葉を自分に向けてつぶやいていた。
あの頃の私は、失敗が怖くて、傷つくのが怖くて、新しい一歩を踏み出すことができなかった。
うまくいかなかった出来事や、人とのすれ違い、言われた何気ない一言。
そんな積み重ねが、私の心を少しずつすり減らしていったんです。
「私なんかが頑張ったって、どうせ無理」
「もう遅いし、やり直すには勇気がいる」
そう思って、自分の可能性にふたをしてしまっていた時期がありました。
だけど、そんな私にも、ある日、ほんの小さなきっかけが訪れました。
「もしかして、今のまま止まっている方が、よっぽど怖いんじゃない?」
その一歩が、少しずつ自分を取り戻す時間へとつながっていったんです。
今回お届けするのは、自信を失いかけた自分と、どう向き合っていけばいいのか──
「私って向いてないのかな…」そう悩んだことがあるあなたに、そっと届けたいお話です。
「向いてない」と感じた瞬間、心の中で起きていたこと
「向いてないかも…」
その言葉を、あなたはこれまでに何度つぶやいたでしょうか。
最初はちょっとした違和感だったはずなんです。
新しい職場での不安、慣れない業務、職場の雰囲気に馴染めない感覚。
そんな中で誰かのミスをかばったり、自分だけ注意されたり、孤独を感じるような日が続くと──
「私、この仕事に向いてないのかも」と、まるで答えのようにその言葉が浮かんできてしまう。
だけど、少し立ち止まって考えてみてほしいんです。
「向いてない」と感じたその瞬間、あなたの心の中で何が起きていたのかを。
多くの場合、それは「失敗したくない」「傷つきたくない」という防御反応。
自分を責めてしまうクセ、期待に応えられなかったという焦り、
そして、頑張ってもうまくいかなかったときの“虚しさ”を避けるために、
「向いてない」と決めてしまった方が楽だった──そんな気持ちがあったかもしれません。
でも、それって本当に“向いてない”という事実なのでしょうか?
例えば、まだ慣れていない時期に結果を出せなかっただけかもしれない。
職場の環境があなたの良さを引き出せる場所じゃなかっただけかもしれない。
誰にも相談できず、抱え込んでしまったことが原因だったのかもしれない。
向いてないと感じた背景には、
「ちゃんとやりたい」「もっとできるようになりたい」
そんな“前向きな願い”が、実は隠れていることもあるんです。
あなたが自分を責めていたその瞬間、
本当は「今のままじゃ悔しい」って、そう思っていたんじゃないでしょうか。
思い込みが作る「向いてない」というラベル
一度「向いてない」と思ってしまうと、
その後の出来事すべてが、その思いを裏付ける証拠のように見えてしまうことがあります。
ミスをしたとき。
指摘を受けたとき。
周りと比べて落ち込んだとき。
「やっぱり私には無理なんだ…」と、どんどん自己評価が下がっていってしまう。
でも、ここで少し立ち止まって見てみてほしいんです。
本当にそれって、「向いてない」証拠なんでしょうか?
たとえば──
● はじめての仕事でうまくいかないのは当然のこと
● 職場の雰囲気や人間関係が合っていなかっただけかもしれない
● 誰もが通る“慣れない期間”を、たまたまあなたは今、歩いているだけかもしれない
それでも、自分の中で「向いてない」というラベルを貼ってしまうと、
そのラベルが現実のように自分を縛ってしまうことがあります。
たとえば、私はかつて「人前で話すのが苦手だから、教える仕事は無理」と思い込んでいました。
でも実際には、「どう伝えたらわかりやすいかな」と工夫するのが好きで、
少人数のサポートではとても評価をもらえることもあったんです。
苦手だと思っていたことの中にも、
「自分なりのやり方」や「心地よいスタイル」が見つかることってあるんです。
つまり、“向いてない”というラベルは、
自分を守るために貼ってきたものであり、
その裏には「できるようになりたい」「認められたい」という願いが込められていることもある。
その気持ちに気づけたとき、
「向いてない」と思っていたことが、
実は「成長の途中だった」と思える日がやってくるかもしれません。
「続けていくうちに、景色が変わってきた」
「私には向いてないかも…」と感じながらも、
なんとか毎日を乗り越えていたあの頃。
でも、あるときふと気づいたんです。
「あれ?前より少し、できることが増えてきたかも」って。
はじめは何度見直しても間違えていた入力作業も、
今ではすっと手が動くようになった。
聞き取れなかった専門用語も、少しずつ理解できるようになった。
患者さんに声をかけるときも、前ほど緊張しなくなった──
それは、「特別な成功体験」なんかじゃありません。
ほんの小さな変化です。
でも、その小さな変化が積み重なって、
少しずつ、自分の見る景色が変わっていきました。
「向いてない」と思っていたあのときには、
到底想像もできなかった感覚です。
そしてもうひとつ、うれしかったことがありました。
それは、職場の先輩にふとこう言われたこと。
「〇〇さん、ほんと頼りになるよ。丁寧にやってくれてありがとうね」
そのひと言で、「私なんて向いてない…」と思っていた気持ちが、
ふっと軽くなったのを覚えています。
“評価される=完璧にできる”ことだと思っていたけど、
“自分なりに一生懸命取り組んでいる姿”も、ちゃんと見てくれる人がいるんだ。
そう感じた瞬間、
「向いてるか向いてないか」で悩むより、
「今、ここでできることをやってみよう」って思えたんです。
自分にダメ出しばかりしていたあの頃の私へ
「また間違えた…」「どうしてこんな簡単なことができないの?」
仕事中、そんなふうに自分を責める言葉ばかりが頭の中に響いていました。
誰かに厳しく言われたわけじゃないのに、
自分自身がいちばん、自分に厳しくしていた気がします。
周りの人はもっとテキパキ動いているのに、
自分はいつも遅れをとっているように感じて、
「私は、ここにいていいのかな…」と、何度も心の中でつぶやいていました。
──でも、今ならわかることがあります。
あの頃の私は、
「できない自分」にばかり目を向けていたんです。
ちょっとでも前に進めたこと、
勇気を出して質問できたこと、
丁寧に仕事をこなそうと努力していたこと──
そういう“小さなできた”を、自分で認めてあげることができなかった。
だから、いつまでも「私は向いてない」って思い込んでしまっていたんですよね。
あの頃の私に伝えたい。
できなかったことにばかり目を向けなくていい。
頑張っていたことも、確かにあったってことを忘れないで。
「私は向いてないのかも」って不安になるとき、
その裏には「ちゃんとやりたい」「誰かの役に立ちたい」っていう
強い気持ちがあることを、今の私は知っています。
そう思えるようになったのは、
あのときの私が、一生懸命向き合ってくれていたからです。
“向いてる・向いてない”よりも、大切なこと
「私って、この仕事に向いてるのかな…?」
そんなふうに思い悩む時間は、
実はそれだけ“ちゃんと向き合おうとしている証拠”なんだと思います。
もし、ほんとうに向いてなかったら──
こんなにも悩んだり、落ち込んだり、頑張ろうとしたりしないはずだから。
「もっと上手にできたらいいのに」
「こんなミスをするなんて、自分が情けない」
そう感じたとしても、それは「成長したい」という気持ちの裏返し。
あなたが、あなただけのペースで、
一歩ずつ進もうとしてきた証です。
誰かと比べる必要はないし、
“完璧”じゃなくたって、大丈夫。
「向いてるかどうか」は、誰かに決められるものじゃなくて、
あなた自身が「続けてみたい」「もう少し頑張ってみようかな」って思えるかどうか。
それが、いちばん大切なんじゃないかなって思います。
私は今でも、ときどき迷うことがあります。
「ほんとうにこれでいいのかな?」って、自信をなくしそうになることも。
でも、あの頃と違うのは、
“できない自分”も“迷っている自分”も、そのまま受け止められるようになったこと。
「向いてる・向いてない」よりも大切なことがあると知ったからです。
──それは、自分を否定しないこと。
そして、自分の歩幅で進もうとする気持ちを、大切にしてあげること。
あなたも、今いる場所で、
あなたなりに頑張っていること、きっとあるはずです。
焦らなくていい。迷ってもいい。
そんなときは、「よくやってるね」って、自分に声をかけてあげてください。
未来のあなたが、いまの不安を受け止めてくれる
「私は向いてないのかもしれない」
そう感じる日があっても、大丈夫。
それは、あなたが真剣に向き合っている証拠だから。
未来のあなたは、
そんな“いまのあなた”の気持ちを、きっと優しく受け止めてくれるはずです。
思い出してください。
これまでにも、不安な気持ちを抱えながらも、
何度も乗り越えてきたことがあったのではないでしょうか。
うまくいかない日もあった。
涙が出るくらい悔しい思いもした。
それでも、「もう少しだけ頑張ってみよう」と思えた日も、たしかにあったはずです。
そして今、あなたはその先に立っています。
完璧じゃなくてもいい。
少しずつでもいい。
あなたが見つけた“小さなできた”の積み重ねは、
いつか大きな自信へと変わっていくから。
誰かと比べなくていい。
昨日の自分と、そっと手をつなぐような気持ちで、
前を向いていけたら、それで十分なんです。
未来のあなたは、こう言ってくれるでしょう。
「よく頑張ってたね。ちゃんと見てたよ。
あの時の“向いてないかも”って不安があったから、今の私がいるんだよ」って。
だから、大丈夫。
いまのあなたの努力も迷いも、全部まるごと意味のあるもの。
そのすべてが、未来を形づくっていくのです。
“向いてる”は、あとからついてくる
「私、この仕事に向いてるのかな…」
そうやって悩むのは、まだ“途中”にいるからこそなんです。
最初から「これは私にピッタリ!」なんて確信できることなんて、ほとんどありません。
むしろ、やってみたからこそ見えてくる景色があって、
続けた先に「向いてるかもしれない」と思える瞬間があるんです。
たとえば、はじめはぎこちなくて緊張していた対応も、
いつの間にか自然にできるようになっていたり、
「ありがとう」と言われるたびに、少しずつ自信が育っていったり。
そんな“小さな積み重ね”の先に、
「向いてるかも」と思える自分が、ひょっこり顔を出すのです。
逆に、「向いてるかどうか」ばかりを気にしすぎると、
一歩踏み出す前からブレーキをかけてしまうこともあります。
でも、それってもったいない。
どんな仕事も、どんな環境も、最初から完璧にこなせる人なんていません。
できなかったことが、少しずつできるようになっていく過程こそが、
「自分らしい働き方」を見つけるヒントになるのです。
だから、“向いてる”かどうかは、今すぐ答えが出なくても大丈夫。
目の前のことに向き合い続けるあなたの姿が、
未来の「向いてる自分」をつくっていくから。
あの頃の私に伝えたいこと
あの頃の私は、
“ちゃんとできない自分”を、ずっと責めていました。
周りと比べては落ち込み、
ちょっとしたミスにさえ「ほらね、やっぱり私には無理なんだ」と決めつけていた。
だけど今なら、こう言ってあげたい。
「そんなに自分を責めなくて大丈夫だよ」って。
だって、あなたは不器用ながらも必死に頑張っていたし、
何度落ち込んでも、それでも辞めずに続けようとしていた。
それって、とても強くて、優しい姿だと思う。
もしも、あの頃の自分と同じように、
「向いてないのかも…」と悩んでいる人がいるなら──
伝えたいのは、「向いているかどうか」で自分を判断しないでほしい、ということ。
最初からうまくできる人なんていないし、
“向いてる”って感覚は、あとからじんわりと育ってくるものだから。
目の前のことに向き合って、
わからないなりに工夫して、
誰かのために一生懸命になって、
そんな毎日を重ねていく中で、
「ここにいていいんだ」って思える日がきっと来る。
その日を迎えるために、
あきらめずに立ち止まりながらも進んでいた、あの頃の私へ。
そして今、悩みながらも頑張っているあなたへ。
あなたは、十分すぎるほど頑張ってる。
その歩みを、どうか信じてあげてください。
さいごに
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
「向いてないのかも…」
「私には無理かもしれない…」
そんなふうに悩むことって、誰にでもあることだと思います。
でも、そんな不安を抱えながらも、今日もちゃんと頑張っているあなたは、
それだけでとても素敵な存在です。
このブログでは、同じように悩んだ経験のある筆者が、
少しでもあなたの背中をそっと押せるような記事を書いています。
もし、今回の内容に共感するところがあれば、
あなたの気持ちもぜひ、コメントで聞かせてくださいね。
「こんなことで悩んでる」
「自分も似た経験があるよ」
そんな声が、この場所に集まることで、
どこかで誰かの心が少し軽くなるかもしれません。
あなたの一歩に、そっと寄り添えますように。
「私って向いてないかも…」そう感じながらも、前に進もうとしたあなたへ。
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