リーダーに昇格したとき、うれしさと同じくらい、
心のどこかにじわっと広がっていたのが“不安”でした。
それは──
これまで「同じ立場」でやってきた仲間と、どう接していけばいいのかということ。
■ 昇進が決まった日、うれしいのに素直に喜べなかった
もちろん、昇進はうれしいものでした。
努力してきたことが認められたような気もしたし、
新しい役割への期待もありました。
でもその一方で、頭に浮かんだのは
**「あの人と、どう接すればいいんだろう?」**という気持ちでした。
一緒にランチに行って、一緒にちょっと愚痴を言って、
苦手な上司にも「やだね〜」って笑い合っていたあの人。
その人に、私は──これから注意をする立場になるのかもしれない。
■ 注意できない、頼めない、でも責任はのしかかる
現場では早速、立場の違いを実感する出来事が続きました。
ちょっとした報告の漏れ、確認ミス、遅れた提出──
リーダーとしては「指摘すべき」ことでも、
今までの関係性が頭をよぎって言葉にできない。
「あんまり言いたくないな…」
「言ったらギクシャクするかも…」
そう思って飲み込んだ言葉は、どんどん自分を苦しめていきました。
■ 「前と同じではいられない」と気づいた日
そんなある日、別のチームの先輩リーダーにぽろっと相談したことがありました。
「言いにくいんです。同僚だったから……」
「でも、それが“リーダーとしての責任”なんじゃない?」
その言葉に、少しだけ目が覚めた気がしました。
関係性を守るために言わないことが、
結局は相手のためにも、チームのためにもならないのかもしれない。
■ 少しずつ、「仲の良さ」より「信頼」でつながる関係へ
それから私は、ひとつだけルールを決めました。
言うべきことは、できるだけやさしく、でもきちんと言う。
もちろん最初は、気まずくなることもありました。
でも、伝えるたびに少しずつ、
「あ、ちゃんと見てくれてるんだな」
「言いづらいことも言ってくれるんだな」
そんな空気に変わっていくのを感じました。
■ まとめ:変わってしまう関係もある。でも、それは悪いことじゃない
リーダーになれば、関係が変わることもある。
それは、避けられないことなのかもしれません。
でも、距離が変わっても、関係は終わるわけじゃない。
お互いに仕事を通じて信頼を育てていけるなら、
それはそれで、新しい形の“仲間”になっていけるのかもしれません。
同僚との関係も難しいけれど、
もうひとつ、リーダーになってから戸惑ったことがありました。
それは──自分より年上の部下との接し方。
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